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【フランス映画】120 battements par minute – エイズと闘う若者たち

約 4 分
【フランス映画】120 battements par minute – エイズと闘う若者たち

 

フランス語を勉強するのに大切なことの一つに、フランス人のエスプリやフランス文化を理解することがあります。今回ご紹介する映画は「120 battements par minute」。実在する“ACT UP”という団体を基に作られた映画で、2017年のカンヌ国際映画祭でグランプリを取った作品。絶賛公開中です。

BPM ビート・パー・ミニット

BPM(Beats Per Minute)

120 battements par minute
「BPM ビート・パー・ミニット」
公式サイト
2017年 / 143分
監督:ロバン・カンピヨ
出演:ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート、アルノー・ヴァロワ 他

 

あらすじ

(C)Celine Nieszawer

 

舞台は1990年代のパリ。そのころ、世界ではHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が大流行し、大量のAIDS患者が命を落としていた。フランスでも同様に、沢山の人々がAIDSを発症。しかし、フランス政府や製薬会社はその現状から目を背け、何も対策をしないままだった。

そんな中で立ち上がったのが、ACT UP – Parisという、パリを拠点とし、実際にAIDSの陽性反応が出ている当事者とその親や友人で構成される団体。団体のメンバーの中には、同性愛者、主にゲイが沢山所属していた。彼らは、コンドームをせずにセックスをすることが日常的であったために、異性愛者よりも感染者が多かったのだ。

彼らは自らもいつ死ぬかわからないという不安を抱えた中、これ以上HIVに感染する人を増やさないように、そしてAIDSの患者を救えるようにと活動しており、議論をして時には過激な行動を起こし、人々に訴えかけていく。

そのACT UP – Parisに新メンバーとして入ったのが、ナタン(アルノー・ヴァロワ)。彼はHIV反応は陰性だが、AIDSに問題意識を抱えておりこの団体に参加することにしたのだった。そんなナタンはACT UP – Parisの活動を通して、ショーン(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)という男性と恋に落ちる。しかし、彼はAIDSを発症しており――。

権利は勝ち取るもの

(C)Celine Nieszawer

カンヌ国際映画祭をはじめとする、数々の映画祭で賞を受賞したこの「BPM ビート・パー・ミニット」。フランス語のタイトル「120 battements par minute」のBPMとは、心拍数を意味します。普通の心拍数よりも早いこの数字は、エイズの時の動悸を表しているのと共に、その病理の裏での恋による心拍数の高鳴りや、“普通”の日常でのワクワクした瞬間に起こる心拍数の高鳴りを表しているのだと感じました。

この映画では、権利は与えられるものではなく、勝ち取るものであるということを実感させられます。日本では、なかなかデモに参加する機会はないし、政治に感心を持つ人も多くはありません。しかし、フランスは幾多の革命を起こしてきたという背景がある国です。自分たちの権利が侵害されたら議論をします。立ち上がります。団結します。このACT UP – Parisもその一つです。生きることを全うするために、彼らはあきらめずに闘い続けるのです。時には製薬会社へ乗り込み、血を模した赤い液体を入れた水風船を投げるという、一見暴力的な行為をしながら。

彼らが闘ってくれた歴史のおかげで、今日ではHIVウイルスは薬を飲むことで抑えられ一般の人と同じくらい生き続けることが可能になりました。もし彼らが立ち上がっていなかったら、この変化はもっと緩やかだったと思います。

シャルリーエブドのテロのときも、フランス中で集会が開かれ、マルセイエーズが歌われました。それをたまたまパリにいた私はレピュブリック広場で肌で感じることが出来ましたが、日本にいる分には中々体験できない経験であり、あの場にいないとフランス人のあのエスプリを理解することは難しいのではないかと思います。このBPMという映画で、それに近い高揚感や緊迫感を感じることが出来ます。ぜひ映画館で彼らの生きざまを感じてみてはいかがでしょうか。

About The Author

Framour代表・編集長SHIZUKU
Framour管理人。2014年~2015年に交換留学生としてパリのグランゼコルでビジネスを1年勉強。2016年にはニューカレドニア現地の高校で日本語の授業のアシスタントとして7ヵ月就労。現在は都内でOL生活。得意分野はwebマーケ・SEO分析・webデザイン・編集/ライティング。
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