今回ご紹介する映画は『シェフ!』に続き、フランス料理が関係する映画をご紹介します。このフランス映画は、実話に基づいて作成された映画です。1981-1995の間に大統領を務めた、フランソワ・ミッテランに指名された女性料理人のダニエル・デルプシュがモデルになっています。
それでは今回のフランス映画『Les Saveurs du palais(大統領の料理人)』を見ていきましょう!
Les Saveurs du palais(大統領の料理人)
「大統領の料理人」
2012年 / 95分
監督:クリスチャン・ヴァンサン
出演:カトリーヌ・フロ、ジャン・ドルメッソン、アルチュール・デュポン
あらすじ
南極へ取材にきていたオーストラリア出身のジャーナリストが、フランスの南極基地で「Président(大統領)」と呼ばれている一人の女性料理人に出会う。彼女の名前はオルタンス・ラボリ(カトリーヌ・フロ)。オルタンスは以前、エリゼ宮で大統領のプライベートな料理人として働いていたという、異色の経歴を持っていた。
もともと田舎で小さなレストランを営んでいたオルタンスは、ある日突然一度会って名刺を交換しただけのジョエル・ロブションに推薦され、エリゼ宮へ。ミッテラン大統領(ジャン・ドルメッソン)の日常で出される料理のための料理人として、女性で初めてエリゼ宮の厨房に立つことになる。なぜ自分が、と首を傾げるオルタンスに「大統領は『おふくろの味』を食べたいと言っている」と補佐官は言った。こうしてオルタンスは、大統領のためのプライベートな料理人としてエリゼ宮で働くことになる。
しかし、エリゼ宮の厨房は超男性優位社会。そもそも、女性の料理人は今まで一人もいなかった。そのため、かなり他の男性シェフから意地悪を言われることもあった。しかし、大統領に「美味しい」と言ってもらうために、彼女は助手のニコラ(アルチュール・デュポン)と大統領専属の給仕係ジャン=マルクと共に奮闘するーー。
とにかく料理が美味しそう!
この映画で注目したいのは、もちろんフランス料理。出てくるのは、以前ご紹介したフランス映画『シェフ!』とは違い、フランスの家庭料理です。もちろんちょっとお洒落な見た目をしていますが、砂糖で作ったバラが乗ったケーキや、過剰に装飾の乗った前菜のような超高級フランス料理が出てくる訳ではありません。
また、フランスのM.O.F(国家最優秀職人章)をもらい、トリコロールが襟に入ったコックコートをきている男性料理人たちのなかに、一介の田舎のおばちゃん料理人が入って行くわけです。その苦労が想像できるのではないでしょうか。男性優位社会という逆風のなかで、オルタンスが大統領に「美味しい」と思ってもらうために様々な改革を行なっていく様子も女性としてかなり応援したくなるお話でもあります。
映画の中には料理関連のフランス語と、政治関連のフランス語が多く出てきます。難しそうに見えますが、出てくるキャラクターに若者が少なく、エリゼ宮が主な舞台となるので、言葉遣いもかなりきちんとしており、若者言葉はほとんど出てきません。そういった面では、初級のフランス語学習にとても役立つかもしれません。
こちらもAmazon Prime Videoで視聴可能です。ぜひ見てみてください!
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